ひこぼし通信

令和3年 4月 26日

今春もシバザクラが一斉に開花し、ふかふかなピンクの絨毯のようです。その鮮やかな色彩は、春の訪れとともに毎年わたしたちの心を明るくしてくれます。シバザクラが当院開院以来の不動のレギュラーとしたら、今年の春先にデビューしたユリオプスデージーは期待のルーキーでしょうか。デージーはDay’s eyesから転訛したものとされ、陽光に映える黄色の花形はまさに太陽そのもの。寒々とした気配の早春の庭に華やかな彩りを与えてくれたユリオプスデージーは、先行きが見えない毎日のなかでも微笑みを絶やさない人のようです。
不安の厚い雲が幾重にも広がる状況が続きますが、笑顔を忘れずに今出来ることを粛々と実行して、澄み渡った青空を待ちたいと思います。

令和2年 4月 20日

今春も開院時に植えたシバザクラが一斉に開花しました。冬枯れの様子に心配していましたが、そんな杞憂を一瞬で忘れさせるくらいにダニエルクッションの濃いピンクの花は鮮やかです。シバザクラとともに、「冬の貴婦人」クリスマスローズが今でも若草色の可憐な花を咲かせています。シバザクラから元気を、クリスマスローズから安らぎをもらう毎日です。身近な生命の輝きに感謝です。
中国に端を発した新型コロナウイルス感染は、瞬く間に欧州、アメリカ、そして日本を席巻し、まるで地球を覆いつくすように拡散し続けています。様々な不安や恐怖で俯きそうになりますが、今は固い希望の蕾もいつか必ず開くと信じて日々過ごしていきたいものです。
咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる (坂村真民)

令和元年 9月 5日

朝夕の涼風、日毎に早まる夕暮れに季節の移ろいを感じる頃となると、立ち去る夏が名残惜しくなるのが不思議です。秋の夜長に星空を見上げると、ほんのひとときですが、慌ただしい日常から解放されます。天頂にはペガススの大四辺形が輝き、夏の夜の主役であった「ひこぼし」と「おりひめ」は脇に退いています。今年も七夕は雨、会えずに終わった2人が不憫です。

当クリニックの花壇では「ひこぼし」と「おりひめ」が並んでいます。どちらも四季咲きのバラですが、現在開花しているのは赤紫色の「ひこぼし」のみです。なかなかタイミングが合わず、花の共演とはなりません。遠距離恋愛を経て同居したのにすれ違いは、人間だけではないようです。

令和元年 6月 9日

6月に入り、日本各地から梅雨入りの情報が届いています。何となく気分も湿りがちですが、恵みの雨をもたらす季節の到来と捉えると少し晴れやかな気持ちになります。昨年から植え始めたバラが、おかげさまで伸び伸び育っています。クリニック入り口左側の「還暦」は鮮やかな赤色の花を次々と咲かせて、皆さまをお迎えしています(写真左)。
岐阜のバラ農家のご主人が奥様の還暦祝いに作出されたものと伺っています。花に込められた思いを知ると、このバラの美しさが更に際立ちます。素敵な御二人をイメージした金と銀の小鳥が葉陰に佇んでいます(写真右)。
ちなみに「60歳なの?」との御質問を診察室で時折頂きますが、もう少しだけ先です。